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沖縄奄美自然環境事務所

オオヒキガエルとシロアゴガエルについて

オオヒキガエルとシロアゴガエルについて

 環境省では沖縄県八重山諸島地域を中心に、特定外来生物のオオヒキガエル及びシロアゴガエルの2種について、在来生態系へ影響を及ぼすおそれがあるため、防除事業を実施しています。その一環として、これら2種の特徴と鳴き声を紹介します。

写真:オオヒキガエル 写真:シロアゴガエル
オオヒキガエル シロアゴガエル

ボボボボボボボボボボと連続して鳴きます。

ギー、グイッと単発的に鳴きます。

オオヒキガエルの鳴き声.mp3 シロアゴガエルの鳴き声.mp3

鳴き声は前田憲男氏の提供による。

オオヒキガエル

 中南米原産の体長8~15cmの大型のカエルです。主に低地の池、水田などに生息します。耳の後ろに耳腺とよばれる大きな毒腺(写真の赤線部)をもち、敵に襲われると背中の皮膚から毒を出します。普通にさわる分には問題ありませんが、オオヒキガエルを食べたヘビやイヌなどが、この毒によって死んでしまうこともあります。サトウキビ畑の害虫駆除のため、南大東島に持ち込まれ(年代不明)、石垣島へは1978年に南大東から持ち込まれました。現在では石垣島のあちこちで見かけます。石垣から物資などにまぎれて西表島や他の離島に侵入するおそれがあるため、環境省では防除事業として、西表島での監視を継続するとともに、石垣島での生息密度低減を目指しています。
 西表島での生息に関する情報がありましたら、西表自然保護官事務所までご連絡ください。

写真:オオヒキガエルの卵塊 写真:オオヒキガエルのオタマジャクシ

産卵は一年中みられます。ゼラチン質の紐状の卵塊のなかに2~4万個の卵を産みます。産卵場所は沼、水たまり、田んぼなどの止水が中心ですが、流れの緩やかな渓流などでも産卵します。

1~2センチの真っ黒なオタマジャクシです。水底に集まっていることが多いです。

 オオヒキガエル識別マニュアル [PDF 358KB]

シロアゴガエル

 東南アジア原産の体長5~7cmの中型のカエルです。沖縄では1964年に本島中部で初めて見つかりました。分散能力が高く、沖縄諸島や宮古諸島の多くの島々では既に定着し、蔓延してしまっています。2007年夏に、八重山諸島では初めて石垣島に侵入していることが判明しました。その他にもこれまで定着が知られていなかった、北大東島や粟国島でも相次いで発見され、これらの地域でも地元自治体と協力しながら早期の対策により、島から排除することができないか、検討しています。駆除は成体(カエル)の捕獲及び泡巣(卵)の除去が有効と考えています。
 西表島での生息に関する情報については西表自然保護官事務所、石垣島については石垣自然保護官事務所、南北大東島・粟国島については沖縄奄美自然環境事務所までご連絡下さい。

写真:シロアゴガエルの卵塊 写真:シロアゴガエルのオタマジャクシ

繁殖期は主に4~10月です。直径5~8センチほどのメレンゲ状の卵塊(泡巣)を、池や水たまり、沈砂池などの水面上にある木の枝やコンクリートの壁面などに生み付けます。

2~4センチほどで茶色いオタマジャクシです。目が両端に離れていること、鼻先に白い小班があることが特徴です。

石垣島のシロアゴガエルについて:
http://kyushu.env.go.jp/okinawa/pre_2007/0906a.html
(連絡先)
沖縄奄美自然環境事務所:電話 098-858-5824 ファックス 098-858-5825
石垣自然保護官事務所:電話 0980-82-4768 ファックス 0980-82-0279
西表自然保護官事務所:電話 0980-85-5581 ファックス 0980-85-5582